不動産投資をする上で最も重要なのが物件選びです。
これが成否の95%以上を占めると言っても過言ではありません。
ここでは避けた方が良い失敗しやすい物件を軸に、正しい物件の選び方を解説していきます。
ここでは失敗しない物件選びの際に、避けなければいけないポイントを解説していきたいと思います。
まずは物件の種類を大まかに分けて考えてみましょう。
不動産の対象を大別すると「都市部か地方」か「新築か中古」か「一棟かワンルーム」か「木造かRC工法」というようにそれぞれの条件で分ける事が出来ます。
この中で、もっとも初心者が手を出しがちで、そしてもっとも失敗しやすい物件の条件とはなんでしょう?
それは「新築のワンルーム物件」です。
このような「一棟買い」では無く、一棟のうちの一室だけを所有した物件を「区分所有物件」と言い、不動産投資をする上ではとてもリスクが高い物件となります。
ではなぜ、一棟買いよりも安価に手に入る区分所有物件はリスクが高いのでしょうか?
その理由を順に見ていきましょう。
新築のワンルーム物件
その手軽そうな雰囲気から、初心者が最もを手を出しやすく、しかし実はハイリスクな新築のワンルーム物件。
ではなぜ、新築のワンルーム物件は避けた方が良いのか、その理由を解説していきたいと思います。
空室リスクが高い
例えば、8部屋あるアパート一棟を投資の対象とした場合、一時的に何部屋かの空室が出来たとしても入居している他の部屋で収入を賄うため、さほど大きなリスクにはなりません。
しかし、ワンルームの様な区分所有であった場合は、住人が退去して空室となってしまうと途端に収入が途絶えキャッシュフローが赤字になってしまいます。
さらに、そのうえ「新築」となると、販売価格も高価となるためそのリスクはさらに高くなる一方です。
拡大しにくい
不動産投資の大きなメリットの一つに「レバレッジ」があります。
これは上記したように、少ない額で大きなお金を動かせる事を指しますが、区分所有は銀行からの評価が低いため、一棟ものを所有した場合に比べ次の融資を受けづらくなってしまいます。
そのため、一棟目で黒字の目処が立てば、二棟目、三棟目と事業を拡大して、売り上げを上げてリスクを下げることができますが、区分所有で始めた場合はそれが出来づらくなってしまうため、不動産投資のメリットを捨ててしまうことに繋がります。
管理権限が限定的
一棟買いのケースとは違いマンションの一室のみの管理となると、例えば経年劣化などでマンション全体が老朽化した場合などの修繕工事やリフォームなども、自分一人で対処することができず、オーナー全員の承諾が必要となるなど、管理できる権限が限定的になってしまいます。
ほかにも、入居者が決まらず家賃の設定を下げたくなっても、他のオーナーとの足並みを揃えなくてはならないなど、自由に行動することが難しくなるケースなどもあり、フットワークが重くなってしまいます。
一つの環境に依存し過ぎている物件
例えば、大学などの学校近辺のアパート物件や、大きな工場近辺のマンションなど、一つの環境に依存しすぎている物件は避けた方が良いでしょう。
というのも、例えば学校や企業が安価で入居できる学生向け工員向けの寮を建設した場合に、家賃の価格で太刀打ちすることは出来ず途端に空室リスクが高まってしまいます。
それでも、街中などの駅からのアクセスが良い物件なら、空室リスクを回避することができますが、そうではない一つの環境に完全に依存している物件は、不動産価格が安くても、今後何年も運営していくことを考えればとても危険です。
リフォーム費用が高い
新築物件と比べて中古物件は、当然、安価で購入することができます。
また20年以上の築年数であれば家賃も下がりきっている状態となっているので、今後の運営に関してもある程度の予測を長期的に立てることができます。
物件が安く手に入ることから表面利回りも高くなりますし、計算上では安定して運営できると思いがちです。
しかし、築年数の高い物件はそれだけ経年劣化による損傷も大きく、なにかと修繕費が必要となります。
特に、基礎工事の手抜きが原因でおきる建物の傾きなどは致命的で、リフォーム費用だけで1,000万円という事例もあります。
こうなってくると、空室リスクが低い新築物件の方がよほど安上がりです。
また管理会社の管理が甘く、例えば空室の定期的な換気などをしていないことが原因で、壁中が黒カビだらけといった事例もあるので、購入前には細かな点をチェックしなくてはなりません。
サブリース契約
巨額詐欺事件として大きな話題となった「かぼちゃの馬車事件」のスマートデイズ社や、テレビ番組「ガイアの夜明け」でその悪どい経営を指揮していた社長が衆目にさらされたレオパレスなどが行なっている「30年間空室満額保証」などのサブリース契約は避ける方が懸命です。
このサブリース契約というのは不動産会社を通じて物件を建築し、その物件を直接自分では運営することなく、不動産会社に又貸し(サブリース)して、代わりに不動産会社が運営するというものですが、その間、例えば全室空室であったとしても、その分の家賃は不動産会社が肩代わりするというものであり、条件だけを見るとローリスクなのに決まった収入が得られるという大変素晴らしいものです。
しかし、なぜ良い条件であるサブリース契約は避けるべきなのか、というと、上記2社のように、将来的に空室保証がされなくなるケースが多発しているからです。
数年で不動産会社から減額を要求されるケースや、最悪一方的に打ち切られるケースもあり、ハイリスクなのはもちろん、こういったビジネスモデルは最初に支払われる建築費を収入のメインとしているため、物件の品質に比べて割高なつかまされる可能性がとても高いのです。
レオパレスの物件は「壁が薄すぎて画鋲をさしたら隣の部屋から悲鳴が聞こえた」と揶揄されるほどですが、実際には壁が薄いどころか屋根裏で地続きとなっている物件もあり、防音壁や防火壁がないことで建築基準法違反と言われているほどです。